イリヌカー(西のカー)
沖縄では地下水の湧き出ている泉、井戸のことをカーといい昔から神様の住む神聖な場所とされています。
浦添市内には豊富な地下水があり、湧き水をとりまく文化が今も脈々と受け継がれています。
この井戸はイリヌカーと呼ばれ王府時代、王府の要求に応えるためタナゲーやターユーを養って緊急時(冊封使滞在中)に備えていたといいます。
※エビ・タナゲー御用
首里から近い沢岻には他所では聞かれない労役がありました。それはテナガエビ・川エビ・フナ・ウナギなどの調達で、それは予告もなく突然に「ターユー グユウ」(フナ御用)・「エビタナゲー グユウ」(川蝦・テナガエビ御用)と首里からの命令が届いたといいます。御用となると何が何でも調達しなければならないので、大騒ぎで川をさらったりしなければなりませんでした。ほとんどの場合「今、今すぐ御用」と急がされたようです。そのような事が度々あったので、村人はフナ・テナガエビ・ウナギなど井戸や池に生かしておくようになりました。それからイリヌカーと呼ばれる井戸は、フナ・テナガエビ・ウナギ等を生かして飼っておく所になりました。
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