大田区文化財
八景坂(はっけいざか)
今でこそゆるやかな坂 道であるが、昔は相当な急坂で、あたかも薬草などを刻む薬研(やげん)の溝のようだったところから、別名薬研坂と呼ばれた。
この坂 の上からは、かつて大森の海辺より遠く房総まで一望でき、この風景を愛した人たちにより「笠島夜雨(かさじまやう)、鮫洲晴嵐(さめずせいらん)、大森暮雪(おおもりぼせつ)、羽田帰帆(はねだきはん)、六郷夕照(ろくごうゆうしょう)、大井落雁(おおいらくがん)、袖浦秋月(そでがうらしゅうげつ)、池上晩鐘(いけがみばんしょう)」という八景が選ばれ、八景坂 というようになったといわれる。
かつて坂上には、源義家が鎧をかけたと伝えられる松があり、広重らの浮世絵に描かれ、有名であった。
昭和51年2月25日指定
大田区教育委員会
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